製造元は銘酒『仁勇』『不動』で有名な、
元禄2年創業の鍋店(なべだな)。
蔵元とのご縁
女将など宿関係者の他、日本酒の有資格者やソムリエを交え、県内にあるたくさんの造り酒屋のお酒をテイスティング。 刺身や千葉県の郷土料理なめろうなど、お魚料理との相性を確かめながら、ちばの宿として理想的な味のお酒を選んで醸造元を訪ねました。食中酒(食事をしながら楽しむお酒のこと)は日本食文化に欠かせず、その魅力のアピールが重要であると捉える社長に、宿屋が自慢の魚料理に合わせる特別なお酒を開発する取り組みに共感していただき、鍋店とのご縁が始まりました。
創業元禄2年の造り酒屋・鍋店株式会社
1689年・徳川幕府5代将軍 綱吉が世を治めていた江戸時代に、成田山新勝寺の門前で酒造りを始めた老舗蔵。現在は、19代目の下、伝統に最新のバイオテクノロジーを融合させながら、あくまで“手作り”と品質管理にこだわった酒造りをされています。国内外の品評会での受賞歴も数多く、「鍋店の酒なら間違いない」と、早速「特別純米 魚好」取扱いのオファーをしてきた宿もあったほど。この蔵への信頼の高さがうかがえます。
鍋店 神崎酒造蔵
特別に社長自らのご案内のもと、見学させていただきました。
兵庫県や千葉県各地に増やした酒造りの機能を、1942年に現在の神崎(こうざき)酒造蔵に集約。成田山新勝寺から20㎞ほどの場所です。清らかな地下水に恵まれる米の産地で、昔は近くを流れる利根川を船で江戸まで酒樽を運んでいたそう。「特別純米 魚好」もここで醸されます。
敷地の奥には、大きな冷蔵倉庫「世紀蔵」。100年先も愛される酒造りを目指す心意気と、「酒・人・心」― 人と人・心と心の間に酒がある、という鍋店の酒造りのテーマが掲げられています。瓶詰めされ出荷を待つ間も、この世紀蔵でそれぞれのお酒の適温のもと品質を保ちます。「お酒はとてもデリケート。最高の状態で飲んでいただけるよう管理にはかなり気を遣っています」と社長。
商品の運搬に欠かせないフォークリフト。鍋店の銘酒「仁勇」・「不動」のステッカーは、スタッフさんのお手製。職場への愛を感じました。見学中すれ違うたびたくさんのスタッフさんが声をかけてくださいました。活気ある会社です。
神崎町に蔵を建てたのは1900年。時代を物語る扉の向こう側は、ふわりと柔らかい麹の香り。扉についている“小さな扉”も使えます。
蔵へ入ると、仕込み用の大きなタンクが並び、2階の床にそのタンクの上蓋がはまる造りです。昔は、木を井桁状に組んだ足場が2階の床代わりだったそうですが、2000年に板張りになったこの床のおかげで、東日本大震災でもタンクに入ったお酒は無事でした。
酒質向上のため、新しい技術も導入しています。お酒を通す機器の洗浄・殺菌は欠かせず、業務のほとんどがお掃除に当たることも。衛生管理を徹底されています。
隣接の直売ショップ「鍋店源五右衛門 東蔵店」では、試飲して酒質を確かめた上で購入できます。お酒の他にも、特製酒粕の甘酒(夏はフローズン)や酒粕豚まん等、オリジナルのフードやドリンク、その他に酒器やお酒にまつわるアイテムの販売もあります。
千葉県旅館ホテル組合が取材しました。
神崎酒造蔵では、一般のお客様を対象に酒蔵見学※を実施しています。お酒や造り手について知ると、印象や味わいも深まり、新しい世界が開きます。お酒初心者の方にとっても詳しい方にとっても、製造スタッフさんに質問しながら直接お話を聞く貴重な体験となるはずです。
※酒造見学(有料・事前予約制)については直接『鍋屋源五右衛門 こうざき東蔵』にお問合せください。
鍋店株式会社公式サイト 酒蔵見学
鍋店 社長よりメッセージ
「特別純米 魚好」は、味・香り・口あたりのバランスが良く、普段日本酒を飲まないとゆう方にも味わっていただきたい商品です。千葉の宿で出会った魚好がきっかけで、日本酒に興味をもっていただけたら本当に嬉しく思います。
鍋店株式会社
〒286-0026 千葉県成田市本町338
TEL:0476-22-1455
鍋店株式会社 神崎酒造蔵(鍋屋源五右衛門 こうざき東蔵)
〒289-0221 千葉県香取郡神崎町神崎本宿1916
TEL:0478-79-0161
毎年3月、発酵の里こうざき蔵祭りを実施しています。
鍋店は、日本酒・酒蔵・お酒に関わるイベントや、酒を通じて地域文化を楽しんでいただく酒蔵ツーリズムを推進してます。
鍋店を始め、千葉県には個性豊かな造り酒屋がたくさんあります。酒蔵見学を実施している蔵もあり、酒蔵探訪をテーマとした旅もおすすめです。利き酒や試飲を楽しむことを念頭に、お酒を飲んだ後に車を運転しない旅プランをご検討ください。近くの旅館ホテルに宿泊するのも良いでしょう。